サッカーにせよバスケにせよ、ビリヤードにせよダーツにせよ、 およそスポーツと名の付くものにおいて、選手達は勝つためにプレイします。 この大原則が崩れてしまうと、サッカーもバスケも、はたまたビリヤードもダーツも、とたんにつまらないものになります。 勝つためにプレイする、そのシンプルな命題が、スポーツと呼ばれるものの原動力と思われます。 スポーツ指導者の仕事の一つは、どうやったら選手達が勝てるようになるかを考え、実践させてあげるところにあります。 そういう指導の在り方は、選手達の達成感を導き、信望を集めるでしょう。 但し、指導者の目的が、勝利そのものにあるわけではなさそうです。 とりわけ若年者を指導する立場の人は、目的と勝利の本質的な差異を理解しているはずです。 指導者の目的は、選手達の成長にあるはずです。 凡そ指導者は、選手達が成長し、強くなり、彼を超え、未知の領域に踏み込み、 更なる未来を綴ることを夢見ているものです。 それは、親と子の在り方にも似ています。 やがて親はこの世を去り、しかし子はもう親を必要とせず、彼自身の力で未来を切り開いて行きます。 凡そ人の親というものは、未来は過去よりも充実したものであれと願っています。 悲しいかな、人は近視眼的になってしまうこともあります。 親は子に良い成績や進学を要求します。 ところが、子の成長にとってそれが何なのかについてまでは、あまり深く理解していなかったりします。 取り敢えずその場その場の勝者になってくれと願っているのです。 スポーツにもそういった落とし穴はあります。 指導者は、どうしたら選手達を<勝たせ>てやれるかということに腐心します。 選手達が歓喜し飛び上がる姿によって、その指導の正当性を証明したいとも思っています。 しかし、もし選手達に<勝たせ>てやれたとしても、勝ったのは指導者に過ぎません。 誰が勝たなければならないのか、未来はその一点にかかっています。 自分で勝つということ、これに不可欠な要素があります。 それは、自分で勝とうと思うことです。 サッカーなどの場合、この言葉は更に広がりを持ちます。 自分たちで勝つということ。 不可欠なのは、自分たちで勝とうと思うことです。 デンマークのトマソン選手は、それを極めて端的に言い表しました。 「君は、自分がひとりぼっちじゃないということを理解していますか?」。 シンプルですが、たいへん示唆に富んだ言葉であると思います。 さて、以前 サッカーキッズ話し合おう掲示板 で目にした或る投稿を思い出しましたのでご紹介します。 投稿者であるサッカーキッズさんは、その後ブラジルに渡り、現地の子供達にサッカーを教えているそうです。 連絡が取れないため、掲示板の管理人さんに相談の上ではありますが、事実上無断掲載ということになります。 サッカーキッズさんもしくは知人の方がこのページをご覧になりましたら delpi@forestsong.net までご一報ください。
デルピエ〜ロ
ちょっと前に書いた少年サッカーのコーチM君にハメられて 最近子供達のサッカーに少し首を突っ込まされてます。 今日、おもしろいことがあったので書いとくね。 いくつかの市のチームが30チームくらい集まった非公式な大会があった。 3週間かけて優勝チームを決めたんだけど、 うちのチームは市内でも有数の弱小チームらしく、 ここでもよく話題になる「勝つことをあんまり知らないチーム」なのよ。 M君は勝ちたいらしく一生懸命やってんだけどね。 なかなか勝てないんだなコレが。(そんなに甘くないか) そんで、今回だけってことでコーチングスタッフに入れてもらって 基本的に俺のやりたいようにやってみてくれってことになった。 学年構成は6年生12人、5年生18人、4年生10人の40人。 レベルは「まあウマイ」の5人だけ。(これはスタッフの意見) 6年生以下の大会だけど非公式なのでメンバー交代フリー、何人でもOKってやつ。 一回引っ込んだのがまた入るのもOKっていうモノスゴイやつね。 「じゃあ全員出よう!」って言ったらみんな目が点。 「そんなにユニフォームないんですけど・・・」ってお母さんに言われて そりゃそうだって思わず笑っちゃった。 じゃあ「1試合で20人ずつ出よう」ということにして 6年生6人、5年生9人、4年生5人ずつで1チームを結成。 ひさびさに「FCキャプテンシー」を結成。 @キャプテンを決める(各学年一人ずつ計3人) A3人でゲームプランを考える ・第一試合は「相手が強いので守備中心」となった。 (実はこの話はまたあらためて書いてもいいぐらい面白かったよ。 試合毎にゲームプランが専門的になっていくのが感動的なぐらいだった) Bみんなで前半、後半のメンバーを決める Cキャプテンが作戦ボードを使ってメンバー発表とゲームプランを説明する ここまでは俺は一切口出しをしないで聞いてる。 D試合相手以外に前半チームと後半のチームの勝負テーマを設定する ・守備中心のゲームプランなので失点の少ない方が勝ち ・勝ったチームから2人は次の試合のメンバーに入れる ・応援の声と拍手がスゴイのも考慮してあげる Eゲームプランをみんなに確認する ・「守備中心!」とバカのひとつ覚えのように意識統一OK。 Fなんかあったら俺がメンバー交代とか考えてやるから安心していけと話す で、いざ試合へ キックオフで並んだメンバー見て父兄から大爆笑。 全然ヤバイらしい。M君も他のコーチも 「中盤の両サイドはさすがに今のうちに代えといたほうが・・・」なんて言ってた。 「まあいいからやってみましょう」ってことでキックオフ。 ひさびさに思い出したねえ。 もう最初からノリノリよ子供達。 ヘタクソなんだけどさ、ひたむきなんだよ。誰が見ても分かるくらい。 学年の下の子や、ヘタな子をみんなでカバーして声掛け合って 盛り上がっちゃってんの。胸が熱くなったよ。 第一試合の結果は4−2で勝ち。 前半チームと後半チームは後半チームが無失点で勝ち。 もうベンチも応援席もみんなメチャクチャ盛り上がったよ。 試合後にM君が一番衝撃的だったって言ってたのが ハーフタイムで帰ってきながら全員が 全員が「あ〜超おもしろかった〜」って言ってたこと。 俺も聞いてたから間違いない。 っていうかそれに全神経を集中して全員の言葉を聞いていたから間違いない。 その後いろんなエピソードを残して 三週間で全部で8試合。 今まで一回も勝てなかったチームにも勝って 名前しか聞いたことのない強いチームにも勝ったりして 今日決勝戦をやってきた。 相手は隣の市で春に県大会でベスト4になったチームらしい。 2−1で負けたけど 今までほとんど試合に出たことがないって子がシュートを決めて 1−1に追いついた時には グランド中がみんなのアドレナリンで爆発しそうだったね。 終わった後みんな泣いてた。 お母さん達もコーチもけっこう泣いてた。 表彰式でカップをもらうガキの顔見てて 俺もグッときたけど強がって笑ってた。 終わった後、大人が50人ぐらいで祝勝会をやって飲んだ。 「もう、やめるわけにはいかねえだろう!コーチよ」ってあるお父さんにからまれた。 あ〜おもしろかった。 長くてごめんね。 おもしろい話いっぱいできたから良ければまた書くね。 |