教えることは学ぶこと


 以前お世話になっていた少年サッカー団で、 先輩のSコーチにJFAの指導者資格を取得を勧められ、 同僚のMコーチと一緒にJビレッジでの合宿講習に参加したことがあります。 当時一番ハードルが低かったのは、今でいう「D級コーチ」に相当します。 「C級コーチ」の内容を掻い摘んで短期間で一通り舐めてしまおうというもの。 小生のような一般的な勤め人には手頃な講習でありました。
 少年少女を見るコーチの多くが選手のお父さんだったり 近所のオジサンだったりということを考慮してのことでしょう、 当時は「少年少女指導員」という名称でした。 向上心を煽るためか、後に「D級コーチ」と改名されたのですが、 A・B・C・・・数えると「4流コーチ」と呼ばれているみたいで、 なんだかアリガタミが薄れてしまった感がありやなしや。
 とはいえ、必要最低限の知識、 主に健康・安全に関わるものですが、それらに触れておくには、 そして、教え込むことに終始しがちな素人指導者の概念を 根本から叩き直すには、格好のチャンスでありました。
 下記の拙作エッセイをご笑覧頂いた方々の中に、 よし、俺も一発取っておこうか、という方が生まれることを期待します。 そのとき、一つだけ望みがあります。 講習に参加すること、資格を取ることで満足をせずに、 何を感じるか、何に気付くかということを大切に取り組んで頂くことです。 それこそが子どもたちの利益になるのですから。
デルピエ〜ロ



少年少女指導員講習会体験記
〜2001年1月〜

教えることを学ぶ

 先日、福島県のJヴィレッジで行われたJFA公認少年少女指導員講習会に、同僚のコーチと二人で参加してきました。 なかなか実のある講習会でしたので、ざっとではありますがご紹介したいと思います。
 1泊2日の講習会でした。 屋内での講習と、快適な芝生のグランドでの実技です。 講師はS級ライセンスの方で、実際にJリーグや代表チームのコーチも務められ、Jヴィレッジの副社長も兼任されています。 厳しい表情をした小柄な方で、最初拝見したときは、「うわ、この人にシゴかれるんだ」という印象。 しかしてその実態は、このあと大人たちを子どもに変えてしまうほどオープンマインドの持ち主であったことをご報告しておきます。
 今回の参加者は、20才代から50才近い方まで21名。 大阪から来ている方、有名クラブの若手指導者、地元のサッカー少年団のコーチ、自分達で少年サッカークラブを興したばかりという若者の二人組み、以前受講したがその後どうなったかと再び訪れた変り種(←この人すごく上手)など様々です。 JFAからは40名で1クラスという要請があったそうですが、経験上、大人も子どもも24名を超えるクラスでは充分なコーチングができないということで人数を制限したそうです。 講師の方から、「もし貴方が30名を受け持っているのなら、2つのクラスに分け、時間帯をずらすなどして指導された方がいいと思います」というコメントがありました。

「即座の習得」世代を学ぶ「即座の忘却」世代

 受付では、3冊のテキスト、4本のビデオ、およびその他諸々の書類を受け取りました。 2日間でこんなにやるのかと思いましたが、どうやらそれらは帰ってからゆっくり勉強してもらいたいという教材のようです。 実際には、実技が4時間、講義が4時間、最後に筆記試験があり、この限られた時間の中で最低限覚えておいてもらいたいことを教育するというカリキュラムのようです。 試験に合格すれば、4級審判員資格の保有を条件に、指導員としてJFAに登録されます。 少年少女指導員は比較的新しい資格です。 Jリーグ発足当時に全国で2000人ほどしかいなかった公認指導者は、今では21000人ほど。 このうち7000人ほどが少年少女指導員だそうです。
 講義では、子どもの成長について、なつかしいスキャモンの成長曲線なんかを元に解説がありました。 「即座の習得」が可能なゴールデンエイジと、ジュニアやユースのサッカークラブが果たすべき役割について、分かりやすく講義されました。 「子ども達は勝ちに行く、それはとても大切なことです。けれど、監督は目的を間違えないでください」という言葉の意味がとてもクリアーに伝わってきました。
 その後、1時間半の実技。 集合についての約束(駆け足で集まる、二重三重にならない、円になる)、コーチングの姿勢(太陽を背にして立たない、子どもと同じ目の高さで語りかける)の解説から始まりました。 座っている目の前に講師が立ったまま近づくと、大人でも身の竦む思いがします。 「子ども達は防衛反応を起こします」と解説されたが、この「防衛反応」とは心理学用語。 自分が変革されることに抵抗し自己正当化に固執する心理状態で、コーチングを受けるには最も不向きな状態といえます。 「子ども達を座らせて話をするとき、ご自分だけ映画監督の椅子のようなものに腰掛けて見下ろしながらやってませんか?」との指摘。 ひぇっ、何で知ってんのと驚きつつ、そういえば必ずしゃがんで右手を下から上に差し出し、「う〜ん、君達はぁ、ボールを怖がっちゃあいけないよぉ‥」と子ども達を勇気付けていたベテランコーチのことが思い出されました。 とは言え、今回の実技講習で芝生に腰を下ろしたのはこれ1回きりだったということを付け加えておきます。
 その後、楽しくかつテーマを持ったウォーミングアップ。 そして、いきなりミニゲーム。 手を繋がせて番号で点呼させ、思い通りの人数に効率よくチーム分けします。 講師を手伝っておられたインストラクターの方々が「今回はレベルが高い」と評していたほど、大抵どなたも腕に覚えのある方ばかり。 如何せん、年配コーチ数名は息が上がり、この合宿の流行語大賞となった「酸欠」状態。 点呼した番号をその場で忘れるという「即座の忘却」の世代であることが露呈しておりました。 「ここは標高が高いんじゃないですか?」という問いに、「ええ高いですよ、海抜30mです」と講師が答え、みんなの笑いを誘っていました。 集中して練習すれば、1時間半は充分な時間だと感じました。

成功を実感させる(M−T−M+フォーカストコーチング)

 ミニゲームは、最初みんな遠慮がち。 スペースを目の前にして、思わず私は「ヘイ!」とボールを呼んでしまいました。 フィードされたボールは、しかし球足が速く、 追いつけずにタッチを割ってしまいました。 すると、これを観ていた講師が「ピ〜」と指笛を吹き、集合を掛けました。 あっちゃ〜、今のミスは指摘されるな・・・ 小生は覚悟しました。
 しかし、講師の指摘は予想と違いました。
「今、いい声が出ました。」
講師はこの瞬間を待っていたようです。
「追いつけばチャンスになるところでしたね。」
講師は私たちのゲームを例に、アイコンタクトの解説をはじめます。 それは、目合図に限定した話ではなく、声や手の合図までも含めた意思疎通のことです。 「最初に顔合わせしたときは、日本代表も同じです、 全く同じ。トルシエは『コミュニケーション!』って叫んでましたよ」 と紹介されるその身振りがトルシエそっくり。 そこで、二人一組に分け、声と手で合図したところにパスを出す練習。 ひとしきり練習をすると、再びミニゲーム。 今度は活発な声があがります。
 「ピ〜」と指笛が鳴り、再び集合。 講師は、「とても良くなりました」と皆を誉めた後、各々のゲーム結果を尋ねます。 「1対1」、「1対0です」、「0対0」‥。 そこで、一組にゲームをさせ、皆に見せます。 途中、いきなりゲームをフリーズ。 「あなたは、どうしてここでシュートしないんですか?」 とパスを繋ぐことばかりに意識が行っているプレイを指摘。 「いつもシュートのこと考えて、打てたらシュートしてください」とゲームを再開。 同行した同僚コーチが見事なミドルシュート。 「いいですねぇ!ではみんなやってみましょう」と全員にゲーム再開を指示。
 その後ゲーム結果を集計すると、「6対2」、「2対3」、「4対3」  ‥明らかに最初のゲームとは違っている。 選手達は、目の前で成功を体験し、そのキーとなったポイントを受け入れます。 マッチ→トレーニング→マッチ(実戦→練習→実戦)の手法と フォーカストコーチング(焦点を絞った指導)がコーチングの単位でした。 問題点を手当たり次第に指摘する方法は、「コーチング」ではなく 「ランダムコンプレインツ(乱雑な不平)」と呼ばれるそうですが、 そういう指導の仕方はしません。 更に講師は、これが基本だといった理屈抜きの課題を課しませんし、 これをしてはダメという消去法的な論法を用いません。 「フリーだったらいいんですが」とか、 「アウトサイドはこんなとき便利ですが」などと、 いろいろな可能性を全て容認した上で、 それでも受講生がもっと巧くやりたいと感じたところを突くのです。 そうやって、ある意味で失敗させ、焦点を絞って指導し、その成功を実感させます。 この積み上げは、2日間を通してフラクタルにエスカレートし、 最終ゲームのドラマへと繋がっていきました。

教える資格

 講義室に戻って故障と応急処置に関する勉強。 Jビレッジのスポーツドクターを兼務しておられる整形外科医の方が講師でした。 怪我や故障に関する講義の他、熱中症に関して厳重に注意すべきことが周知されました。 熱中症に陥ってしまうと、なんと死亡率は25%。 ある夏季マラソンでは1レースで3名もの尊い命が失われたそうで、平均的に年間1・2名の方が夏季スポーツのために亡くなっているそうです。 身近なことだけに、受講生達が真剣にメモを取る音がしきりと聞こえていました。 「こうやって偉そうに講義しておりますが、我々は担ぎこまれてきた患者を診るのが専らですから、実際には現場の人のほうが応急処置は上手なのです。コーチがうろたえるようではなりません」とドクター。 夕食を挟んで今度はコーチング法の講義。 分刻みのスケジュールです。 とにかく2日間で最低限必要なことを覚えて欲しいというスタッフ側の意欲が伝わります。
 この日のカリキュラムが終了し、皆一旦部屋へ戻りました。 綺麗な4人部屋で、我が部屋は喫煙軍団の3人組です。 同室の方は、一人は20代の新進気鋭のサッカースクール講師、もう一人はHさんというサッカー少年団のコーチでした。 Hさんは48才。 がっしりとした大きな体格の方で、眉が太く、仁王様のように迫力のある方です。 一見厳しい鬼コーチという風体ですが、話をしていると180度逆の方だというのが分かってきました。 お子さんが少年団にいたころ参加し、 選手達に手厳しい指示を飛ばしていた監督に初めて異議を唱えた保護者なのだそうです。 既にお子さん達は卒団して社会人やユースで活躍。 「それでも毎年新しい子ども達がやってくるでしょう。 もう、可愛くて、可愛くて、辞められないんですよ‥」 と目を細めるHさんの顔は、仁王様転じて観音様のようです。 その表情を見ただけで、こんなコーチに見てもらえる子ども達は きっと幸せだろうなぁと感じてしまいました。
 その後、各自飲み物を持ち寄り、講師とスタッフを交えて懇親会。 「明日は今日よりキツイですよ」という案内に恐れをなしたか、 半数の受講生はソフトドリンク、同僚と私を含めて残りの連中もせいぜいビール1缶だけ。 そこへやってきたHさんがビール3缶をテーブルにどっかと置くものだから、否が応でも注目が集まりました。 皆の視線を感じて「え?」と周囲を見回すHさんは、少し赤面しておられました。
 Jヴィレッジの話、ロボットサッカーの話、悪天候でのゲームの話、  ジュニア世代に11人制は必要かといった話などなど、いろいろな話題に花が咲いて予定時刻をオーバー。 その中で心に残ったのが、前回W杯で仏代表のコーチを務め、 現在監督をしているロジェ・ルメールの来日講演の話。 W杯、欧州杯を持参されたそうで、日本側が持参したアジア杯を併せ、 3つのトロフィーを右に並べての講演。 事実上サッカー界の最高指導者の一人である彼が言ったことは、 「学ぶことをやめた人は、教えることをやめなければならない」。 本講習会の講師も、この言葉には感動したといいます。

サッカーは大人を子どもに変えた

 あくる日は朝から実技。 やはりM−T−M+フォーカストコーチングで、どんどんと進んで行きます。 もはや20代の人たちまで息を切らせている、皆夢中になってしまうからです。 ボールコントロールの覚束ない私などは、人より倍も3倍もダッシュするハメになりますから、もう足の呂律が回らなくなってきました。 1時間半ほど経過したとき、講師の方が「これで昨日と同じくらいです。けっこうたっぷりできるでしょう?このくらいが丁度いいんです。でも、まだカリキュラムがありますから続けますよ。ここから怪我が増えますから注意してください」と案内され、皆の笑いを誘います。
 最終課題に入って来ました。 メンバーは課題ごとにランダムに代わります。 最後は4人チームだったのですが、どういう天のイタズラか、我がチームは高齢者軍団になってしまいました。 Hさん、Hさんの同僚(おそらく今回の最高齢)、もう一人若者君がいましたがもうかなりヘロヘロ、それに私です。 悉くボールを取られてぼこぼこと失点。 途中、Hさんが空足を踏むアクシデント。 「大丈夫ですか!外に出ていてください!」と引き受けたものの、ただでも劣勢のところへ4対3ではますますサンドバッグ状態に。 矢も盾も堪らぬHさんがピッチに復帰、「動かなくていいから真ん中にいてください!」と指示。 それでもHさんは走ろうとしてしまいます。
 「あと1点入ったら終りにしましょう」という講師の声が飛びました。 今回のJビレッジの、これが最後のワンチャンスということになります。 「最後決めようぜーっ!」、「おーっ!」と声を掛け合い必死のアタック開始です。 私は左サイドを駆け上がり、若者君とアイコンタクト、若者君から絶好のスルーパスが出ました。 このチャンスを逃してなるものかとボールを運び、サイドをえぐって中を見ると、「あれ?」と思わず声を出してしまう光景。 全員後方でこっちを見送ったまま動けず。
 慌てた私の足元からボールを掻っ攫った相手チームが、ヘロヘロ軍団をヒラヒラと交わしてシュート。 我がチーム全員の頭に「あぁ!終わってしまう!」という言葉がよぎったと思います。 ゴール前には足を故障しているHさんが一人。 「そのボール止めて!」と思わず叫んでしまいました。 さっきは「動かなくていい」とか言いながら、全く矛盾した言動。 しかし、Hさんは必死の形相で大きな体を振り向かせ、痛い足で飛びつきました。 足に力が入らないので実際の動き自体スローモーだったのですが、まるで特撮のスローモーションにBGMでも流れているかのような光景で、Hさんの表情はボールを追う少年そのもの。 間一髪、Hさんはボールを弾き出し、大きな体を冬の芝生に転がしました。 「ナイスプレイ!!!」と歓声が上がり、相手チームからも思わず拍手が。 そして、まるでこのプレイを待っていたかのように「ピ〜!」と指笛が鳴り、「ここまでにしましょう」という講師の声。

結果はスタートラインだった

 ヘロヘロの状態のまま講義室に移動。 恥ずかしながら、まだ息が上がったまま。 今度は「コーチの資質」というテーマです。 講師は、教科書を閉じさせ、 各自の思うところを一言ずつ聞いてホワイトボードに列挙していきます。 最後に教科書との整合をとり、具体例や補足を加えて講義終了。
 引き続き、お待ちかねの筆記試験と相成りました。 11問中7問正解で合格とのことですが、 「即座の忘却」世代が「酸欠」なわけですからドキドキ。 蓋を開ければ、試験の内容は、本当にキーポイントばかりでした。 カタカナ用語が思い出せるかということを除けば、全て承知の内容です。 「良い判断をするためには広角な視野の確保が大切だが、 それには(       )でプレイするよう心がける必要がある」といった設問。 「良い体の向き」のことだが、サッカー用語みたいなのがあったなぁ ‥そうそう、「グッドボディーシェイプ」だ。 私は血中酸素が戻ったか、比較的スラスラと答えることができて一安心。 ところが、意外や、生粋のサッカー人間であるはずの同僚は、 タイムアップまでじっと考え込んでいました。
「あれ、なんて言いましたっけ。」
「『グッドボディーシェイプ』でしょ。実技の間、ずっと講師が口にしてた。」
「あ、『グッド』抜かして書いちゃったなぁ。」
「でも『ボディーシェイプ』だけでも三角ぐらいくれるんじゃない?」
「え?今なんて言いました?」
「『ボディーシェイプ』‥」
「やっぺぇ!『ボディーシェイク』って書いちゃった!」
「体揺すってどうするんですか〜!」と笑いつつ結果発表を待ちます。
 講師から「珍しく全員合格」という公表があると思わず拍手が。 しかし講師はすぐにそれを諌め、 「いまスタートラインに立ったということです」と告げました。 「ここで学んだことを忘れずに、これからも学びつづけてください。 もし貴方が手本を見せられなかったら、それは上手な子どもにやらせればいいんです。 でも、ご自分も学ぶという姿勢を忘れないでください。 ロジェ・ルメールの言ったことを思い出してください。 それから、今回の試験では意味が合っているものに三角をつけましたが、 ちゃんと言葉も覚えてください。 『ゴールデンエイジ』、『即座の習得』、『アイコンタクト』など いろいろな言葉が出てきましたね。そういった言葉を子ども達と話すとき、 同僚コーチと話すとき、それにお母さん方と話すときにも使えるようにしてください」。 トルシエが口にしていた「コミュニケーション!」ということが、 クラブ運営にもフラクタルに共通していることを暗示したアドバイスでした。 講師は、とても熱心でした。 それは、日本サッカー界の輝かしい未来と、ここに集った受講生と同様、 子ども達そのものへの想いによるものなのだろうと感じました。

 とても楽しく、また印象深い講習でした。 貴方も是非!


地元チームのHコーチと

有名クラブのSHコーチと

同僚のMコーチと

ユケさんの得意技

 講習の後、同僚と同室だったユケさんという方からメールがありました。 ほんの2日間の付き合いだったのに、とても懐かしく思われました。 この方の逸話をご紹介しますね。
 ユケさんは、20代前半と思しき背の高い好青年でした。 講師やアシスタントの方々までをも唸らせる 胸トラップからの強烈ボレーシュートを決めて見せた強者。 夕食のテーブルを囲みながらバックグラウンドを伺うと、 埼玉のクラブで低学年を担当されているとのことでした。
「へぇ〜、じゃあさぞや子ども達の憧れの的でしょう!」
これだけの技量をお持ちなのだから間違いありません。
「模範プレイをされると思いますが、どういう得意技をお持ちですか?」
すると、ユケさんは間髪おかず平然とこうお答えになった。
「僕の得意技は抱っこです。」
意外な答えに目をパチクリさせている小生に、
「目よりも高く抱き上げますよ。」
と補足された。
 想像するに、ユケさん自身、少年サッカーのご出身なのだと思います。 そして、コーチに目よりも高く抱き上げられた 誇らしい原風景が、彼のサッカーの原点にあるのではないでしょうか。 「僕の得意技は抱っこです」、この言葉の重みを感じると共に、 晴れ渡る埼玉の空に舞い上がる子ども達の笑顔が目に浮かぶようでした。

高田さんの手紙

 先日、JFA公認少年少女指導員の認定証が郵送されてきました。 JFA会長岡野氏(2001年当時)の銘の入った認定証の他に、 講習会の講師でありJFAの理事であり Jビレッジの副社長でもあった高田さんが 受講者に宛てた手紙が同封されていました。 手紙に記されていたのは、おめでとうといった内容ではなく、 内容はタイトなスケジュールの講習に参加してくれたことへの謝辞に終始し、 「いつか子ども達と一緒に再びJヴィレッジを訪れてくださる日を楽しみにしております」 と締めくくられていました。 高田さんの熱心な講義は、そこに集った受講者達の向こう側にいる 子ども達に向けられていたのだということが、 改めて感じられる温かな手紙でした。


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