我々は、すぐになんでもわかった気になります。 ちょっと知識を得、理論なぞを囓ると、それでもう分かっちゃうんですね。 これは是非、私が、子どもたちに教えてあげよう、そういう意志を持ちます。 ところが、たいてい、思うようにはいかないものです。 「いいから言われたとおりやってごらん」などと押しつけても、 そのときはそのような動きをしてくれますが、 その場限りのお付き合いに過ぎないことが屡々です。
戦後教育を受けてきた我々は、大切な文字として、
「知」、「理」、「意」を学んできました。
知識、理論、意志といった言葉の素ですね。
ただ一つ、最も重要な字を置き忘れてきてしまった。
「情」という字です。
どちらかというと、疎んじられてきた字なのではないでしょうか。
感情、情熱、情緒といった言葉に使われる字ですね。
しきりとこの字を持ち出す数学者がいました。
ここだけの話、地元(奈良)では変人と見られていた人ですが、
その業績は超人的であったようです。
ご参考まで、小林秀雄さんとの対談から、
二三の言葉を抜粋してみます。 デルピエ〜ロ
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「人間の建設」より
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