絵:たくや君(埼玉県・8才)
作:デルピエ〜ロ橋本

第7話 王さまの大きなツノ

「まて!」
うしろの声に おどろいて、
ジョロウグモが ふりかえりました。
「だれだぁ〜?」

「オレサマは、森の王さまノコギリクワガタだ。
モンキチョウさんを いじめるやつは、
この大きなツノで ちょんぎるぞ!」

「ひぇ〜!!!」とジョロウグモ。
ちょんぎられては たいへんと、
いちもくさんに にげて行きました。

「さぁ、もう あんしんだ。」
ノコギリクワガタは、大きなツノを じょうずにつかい、
チョッキン、チョッキン、チョッキンと、
クモの糸をきってあげました。
「ありがとう!」
じゆうになった モンキチョウさんが
おれいを言いました。
「どういたしまして。」
ノコギリクワガタは、
てれくさそうに していました。
ギンヤンマが、声をかけました。
「かっこよかったよ、
ノコギリクワガタくん。
さすがは、森の王さまだ!」
そして 野原の虫たちも、
声をそろえて言いました。
「王さま、ありがとう!」

こうして ノコギリクワガタは、
野原のみんなに よろこばれ、
きぶんよく 森にかえってきました。
しばらく行くと、りっぱなクヌギの木がありました。
その木は、りっぱなだけでなく、
ところどころに あながあき、
そこからミツがしみ出して、
森のレストランになっていました。
おなかがペコペコだったノコギリクワガタは、
やっと、おいしいミツに ありつくことができました。

おしまい



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