絵:たくや君(埼玉県・8才)
作:デルピエ〜ロ橋本

第6話 たいへんだ!

「どこだ!」
ノコギリクワガタは、
ヒラリと とびおき、
セイタカアワダチソウを かけのぼり
はねをひろげて とびたちました。
「こっちだ! こっちだ!」
ギンヤンマが、目の前をとびながら、
そこへ あんないしてくれました。

モンキチョウさんは、
ジョロウグモが しかけておいた
クモのすの はしに
とらえられていました。
「だれか たすけてー!」
まわりには、野原の虫たちが、
おおぜい あつまってきました。
カラスアゲハに、シジミチョウ、
ショウリョウバッタに、キリギリス、
シオカラトンボに、コガネムシ。
けれど、あいてが わるすぎる。
だれも モンキチョウさんを
たすけてあげることは できません。

もがけばもがくほど、クモのすの糸がからまって
モンキチョウさんは、みうごきが
できなくなってしまいました。
「ふぇっ、へっ、へっ、へぇ〜。」
クモのすのまんなかには、
長い足をしたジョロウグモがいて、
わなにかかった えものに
したなめずりをしています。
ササササササッ!
ジョロウグモは、すごいはやさで すを走り、
モンキチョウさんのそばまでやってきました。

「ふぇっ、へっ、へっ、へぇ〜。
こりゃあ かわいらしい ごちそうだぁ〜。」
ジョロウグモは、前足でモンキチョウさんのかおをなで、
よだれをたらして 言いました。
「ゆっくり たっぷり あじわいながら たべてやるよ〜。」
「きゃー! たすけてー! だれかー!」
モンキチョウさんが ひめいをあげると、
ジョロウグモは 口から糸を はき出しました。
シャーーー! シャーーー! シャーーー!
モンキチョウさんは、糸でグルグルまきにされ、
もう、うごくことも、さけぶこともできなくなってしまいました。
かわりに 野原の虫たちが、声のかぎりに さけびます。
「だれかー! モンキチョウさんを たすけてあげてー!」

つづく



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